日本人を対象とした研究では、睡眠時間が7時間前後のときに死亡率が最も低くなることが示されました。また、起床後12〜13時間は完全に覚醒した状態で仕事ができますが、それ以降は生産性が低下することもわかりました。睡眠時間を減らし、夜更かしをして、常に起きている状態にすることで、仕事のパフォーマンスは急激に低下してしまいます。ここでは、徹夜をすると起こりうる症状についてチェックしておきましょう。
集中力や注意力が低下する
徹夜をして十分な睡眠が取れないと、集中力や注意力を低下させます。ある研究のデータによると、15時間以上起きている人の注意力は「酒気帯び」とほぼ同じ、18時間以上起きている人の注意力は「酔っ払い」とほぼ同じであることがわかりました。酔っぱらった状態で仕事をしたら、自分では「大丈夫」と思っていても、睡眠をとらないでいると脳が休まらず疲労回復ができないので、翌日までダメージを引きずってしまうのです。自身で睡眠不足に気付いていたとしても、睡眠不足により集中力や注意力の低下引き起こしていることに気付かない人も少なくありません。その結果、集中力が低下し、頭がボーッとしたり、脳に情報がインプットされない、反応が鈍くなるなどの症状が出ることがあります。
眼精疲労
徹夜仕事で眼精疲労を引き起こす原因になります。眼精疲労とは、目を使う作業を続けることによって、目が重い、ショボショボする、目が痛い、充血する、目がかすむ、視力が低下するなどの症状が出ることです。目が疲れていると、パソコンの画面がぼやけて見えるように、特に夜通し働いて睡眠不足の状態だと、物を見る認識スピード、コントラストの感度、目の調節能力に影響を及ぼします。また眼精疲労だけでなく、肩こり、胃痛、食欲不振、便秘などの症状も出ることがあります。その状態をほっと置くと、目の奥に激しい痛みを感じたり、吐き気をもよおすこともあります。
心身の不調にも繋がる
徹夜することによる睡眠不足は、体だけでなく精神的な問題を引き起こします。睡眠時間が5時間未満の人は6~8時間の人に比べて心筋梗塞になる確率が2.5倍、6時間未満の人は7時間以上の人に比べて風邪を引きやすいという研究結果もあり、睡眠不足が身体的な影響を及ぼすことは明らかです。特に、夜更かしが続くと、血圧や血糖値、中性脂肪が上昇し、高血圧や糖尿病、高脂血症の原因となるほか、うつや不安などの精神疾患のリスクも高まると言われています。最近元気がない、気分が落ち込む、些細なことでイライラするなどの症状がある場合は、専門医に相談することをおすすめします。
太りやすくなる
人の食欲は、主に食欲抑制ホルモン「レプチン」と食欲増進ホルモン「ガストリン」によってコントロールされています。食欲のバランスは、必要なホルモンが適切なタイミングで分泌されることで保たれています。
しかし、睡眠不足になると、食欲増進ホルモンが多く分泌され、いつもより多く食べてしまいます。夜更かしして食べる量が増えると、体重が増える可能性があります。
もちろん、徹夜は仕事だけではなく、心と体に支障をきたす可能性があります。しかし、どうしても徹夜をしなければならないときは、疲労を残さないような作業を行い、夜通し働いても回復できるような工夫をすることが大切です。
10分~20分程度仮眠を取る
5分未満の仮眠は効果がなく、10分以上の仮眠は眠気や疲労感、集中力を回復させるという研究結果が報告されています。ただし、徹夜中の仮眠は、普段の就寝時間と同じ時間に寝ているため、あまり長くうたた寝をすると眠りが深くなりすぎて、すっきりしないまま目が覚めてしまうこともあるので、徹夜中に眠気が襲ってきた時は、10~20分程度の仮眠が効果的だそうです。短時間でもぐっすりと眠れる分、体や脳へのダメージも少なくなり、集中力も持続しやすくなります。
キャット型ジェルアイマスクを使用
仕事による眼精疲労を緩和するために特別に開発されたCatMozキャット型ジェルアイマスク、従来のアイマスクとは異なり、視界を遮らない独自のカットデザインで、作業中も目をリラックスさせることができます。本製品はシリコン&ソフトフリース素材で作られ、両面使用可能で目の状態やニーズに合わせたアイケアを実現。
目の疲れや痛みには、ジェルアイマスクを電子レンジで10秒温め、フリース面を目元にそっと当てると、温めて目の周りの血行を良くなり目の周りの血流量がアップし、筋肉の緊張を和らげ目の不快感が解消されます。
また、使い続けることで、長時間のパソコン使用による目周りのむくみやシワを改善でき、アンチエイジングの美容効果も抜群です。
カフェインを摂取
徹夜をする際は、カフェイン入りの飲料を飲みながら作業することをお勧めします。カフェインには、集中力や記憶力を高めたり、覚醒を促すなどの精神作用があることが分かっています。また、カフェインは強い眠気を和らげることで、仕事中のミスを減らす効果もあります。カフェインを含む飲料の例としては、コーヒー、煎茶などがあります。いずれもコンビニやスーパーで購入できる飲み物なので、徹夜前に用意しておくとよいでしょう。
ただし、カフェインの摂りすぎは、不眠や吐き気などの体調不良を引き起こすことがあるので、注意が必要です。また、飲む時間にも気をつける必要があります。就寝前のカフェインは睡眠に悪影響を及ぼすとされており、就寝前6時間以内は避けた方が良いとされています。
仕事を早めに終える
睡眠不足が続くと、日に日に疲労が蓄積され、作業効率がさらに低下します。徹夜明けの仕事はできるだけ早く終えて、ぐっすり眠れるようにすることがとても大切です。寝る前にスマホを見ない、間接照明で部屋を暗くするなど、リラックスして眠れる環境を整えましょう。理想的な睡眠時間は、個人差や年齢によって異なりますが、平均7~8時間眠れるとよいでしょう。
仕事をしていると、なかなか思うように睡眠がとれないことがあります。もちろん、できれば夜更かしはしない方がいいのですが、どうしてもという場合は、夜更かしによるダメージを回復し、その疲れを翌日に残さないために、以上の対策を参考にしてください。