目の疲れが蓄積すると、目がかすんだり、眠気を感じたりするなどの症状が現れます。放置しておくと、充血や目の痛み、ドライアイ、頭痛、肩こりなどを伴う慢性的な眼精疲労につながることもあります。回復のためには、眼精疲労の原因を突き止めることが必須。あなたの眼精疲労の原因は何ですか?以下を確認してください。
目の使いすぎ
目を酷く使い過ぎても目の疲れが起きます。目の周りの筋肉は、眼球やまぶたを動かすほか、頭を支える首や肩の筋肉とつながっています。パソコンやスマートフォンで長時間作業したり、手先の細かい作業したりすると、目に負担がかかり、目の中の細胞や筋肉を疲れさせてしまう危険があります。また、さらに集中してまばたきが少なくなると、目が乾燥して眼精疲労につながり、目の周りの筋肉が固まり首や肩の筋肉も固まって肩こりや頭痛の原因にもなります。特に近年は、こうした機器の普及により、長時間見続けることによる眼精疲労はVDT症候群とも呼ばれ、まさに現代人の新しい病気と言えるでしょう。
度数の合わないメガネやコンタクトの使用
度数の合わない眼鏡やコンタクトレンズを使い続けると、見えづらくなる場合が眼精疲労を起こしやすいと言われています。また、眼鏡やコンタクトレンズを日常的に使用している方の場合、時間の経過とともに視力が変化し、いつの間にか視力と合わなくなることで目が疲れやすくなるケースもあります。気になる方は、眼科を受診して、自分に合ったものを使うようにしましょう。
目や体の病気
近視、乱視、老眼は、目のピントを合わせるために目の周りの筋肉が緊張するため、眼精疲労の原因になると考えられています。それに、眼球の表面は涙が少なく目が乾いている状態だと、必要以上に目に負担がかかってしまうドライアイや、白内障などの目の病気も、眼精疲労を引き起こすことがあります。さらに眼精疲労は視力障害の原因となるだけでなく、見た目の印象にも大きな影響を与えます。東洋医学では、眼精疲労は肝臓と関係があると考えられています。ですから、肝臓を大切にすることは、目を大切にすることとも関係があるのです。
ストレス
人は精神的なストレスを抱えると、さまざまな身体機能を司る自律神経のバランスが崩れてしまいます。そうすると体に影響し、涙の分泌量やまばたきが減少したり、筋肉が緊張したり、血流が滞ったりして、バランスが崩れた状態が続けておくと眼精疲労につながることがあります。
目を酷使しないように気をつけていても、仕事や遊びに夢中になってしまうことがあります。
目の疲れを感じたら、症状に合わせて以下の方法を試してみてください。
一段休んで「遠く」を見る
ぼんやり遠くを眺めることで、目の緊張をほぐせます。目の中の毛様体筋という筋肉は、近くのものを見るときに緊張し、近くのものを見続けると緊張して硬くなり、眼精疲労の原因となります。遠くを見つめることで毛様体筋が緩み、目の筋肉がリラックス状態になります。
眼球体操&ツポマッサージ
目の周りの筋肉を動かすことで、目の周りの筋肉がほぐれ、血行が良くなり、眼精疲労にも効果があると言われています。方法は簡単で、目を強く閉じてから素早く開いたり、視線を左右上下に動かしたりするだけです。5分ほど続けると、緊張がほぐれるようなので、試してみてください。また、眼精疲労に効果があるとされるツボを押すのもおすすめです。
目を温める・冷やす
目を温めると血行が良くなり、目の筋肉の緊張がほぐれるので、温冷2wayで使用可能なジェルアイマスクで、まぶた全体を温めることで眼精疲労を解消させることができます。また、ジェルアイマスクの上からツボ押しをするとより効果的です。
やり方は、ジェルアイマスクを電子レンジで5~10秒加熱すれば出来上がりです。加熱直後のアイマスクを優しく、目の上に乗せてください。目周りの血行を促進し、眼精疲労の解消や健康な視力を維持することができ、目元に極上の癒しを。
ただし、目が腫れて充血しているときは炎症をとる場合は、ジェルアイマスクを温めるより冷やした方が効果的です。冷凍庫に30分~1時間冷やし、クールアイマスクのひんやりした鎮静感を実感し、目の痛みや腫れを抑えて目の下のクマを軽減させることができます。
目薬を使う
目の乾燥を防ぐために意識的にまばたきをするのも一つの方法ですが、目薬を使うのも効果的です。ただし、長期間の使用は目に負担をかけるので、なるべく使用頻度を少なくしてください。また、室内だけでなく、体内でも水分が不足すると、それに応じて目も乾燥します。目の潤いを保つには、定期的に水分補給をすることが大切です。
身体に深刻な影響を及ぼさないためにも、日頃から目のケアを心がけることが大切です。ここでは、簡単なケア方法をご紹介します。
こまめな休憩をとる
目を休ませることが一番です。
パソコンやスマートフォンで長時間作業をする場合、同じものを同じ距離で長時間見続けると、目を支える筋肉が硬くなるため、1時間ごとに5~10分程度の休憩を取るようにしましょう。休憩時間には、スマートフォンなどを見るのではなく、目をそらしたり閉じたりして目を休める。また、立ち上がってストレッチ体操をするのもおすすめです。オフィスでそれが難しい場合は、トイレやコピーをするときに立ち上がるなど、座らないようにしましょう。
パソコンやスマートフォンととの距離を適正にとる
パソコンやテレビの画面から発せられる光は、かなり強烈です。この光を常に近くで浴びると、眼精疲労を引き起こすことが分かっています。パソコンを使うときは画面から40cm以上、スマートフォンの場合は目から画面まで30cm以上離すようにしましょう。また、スマートフォンやパソコンの画面が明るすぎると、眼精疲労の原因になると言われています。画面の明るさを調整するなどの対策をしてください。
睡眠
目疲れの予防には睡眠が重要になってきます。
睡眠は、日中使った目を休ませる役割があり、眠っている間は眼球の緊張がほぐれてリラックスできます。睡眠不足になると、その時間が短くなり疲労が蓄積されてしまいます。眼精疲労を防ぐには、少なくとも7~8時間の睡眠をとるようにしましょう。
疲れ目に効果的な食材を摂る
眼精疲労の解消には、食事から摂る栄養が重要な役割を果たします。目の働きに必要な栄養素を意識して摂取することで、目の疲れの緩和につながります。特に、ビタミンB群は眼精疲労に効果的な栄養素の一つとされているので、意識的に食事に取り入れるようにしましょう。例えば、豚肉やサバに多く含まれるビタミンB1、B12は視神経の働きを高めて視力低下を防ぐ効果があり、納豆や海苔に含まれるビタミンB12は目の充血を取り除き、視力を回復させるのに非常に効果的です。
いかがでしたでしょうか。疲れ目に対して、身近なものを使って簡単にできる眼精疲労の対処法をいろいろと取り上げてみました。目は一生使う大切なものです。眼精疲労に負けず、毎日健康的な生活を送り、健康な視力を手に入れましょう。