成人のおよそ30%に認められるといわれる外反母趾。日本人が靴を履くようになってから足の代表的な疾患となり、痛みに耐えながら日々を過ごしている人も多い身近な病気です。どうして外反母趾になってるの?なんで痛いの?外反母趾が起こる原因にはどんなことが考えられるのでしょうか?今回はそんな外反母趾についてご紹介します。
靴の歴史の長い欧米人に多い病気でしたが、最近は日本でも急速に増えています。
ズキズキ痛くてつらい外反母趾とは?
母趾(足の親指)のつけ根が飛び出し、親指の関節が人差し指の方向へ「く」の字へ曲がる症状のことです。レントゲンで見ると親指が人差し指の方向へ曲がるのと同時に、第1中骨(足の付け根の部分の骨)が内側に広がっています。
親指は5~10度程度は曲がっていますが、外反母趾では曲がる角度が15度以上になる。20度~30度は軽度、30度~40度が中等度、40度以上が重度に分類されます。
外反母趾になる原因にはいくつか考えられますが一番多いのは靴の形です。
実は外反母趾は圧倒的に女性に多い症状ですが、これは女性がハイヒールを履いて長時間歩く機会が多いためです。また男性も外反母趾になっている人がいます。
外反母趾の発症に影響を与える生活習慣は靴の装用以外に報告されておらず、例えば特定のスポーツを行うと発症しやすくなるといった報告はありません。靴を履く習慣があるとはだしに比べ明らかに発症しやすくなり、幅の狭い靴では鶏眼(魚の目)、胼胝(タコ)、外反母趾が増え、かかとの高い靴は胼胝と外反母趾が増えるというデータがあります。どの種類の靴をどの程度の時間使用すると発症するのかというのはまだわかっていませんが、幅が狭いハイヒールが外反母趾発症のリスクを高くするのは間違いありません。
なお、生まれつきの足の形(遺伝も大きく影響します)と生活習慣が組み合わさって一定の条件を満たした場合、外反母趾が発症するようです。
放置すると、変形が進行することはあっても自然治癒することはありません。